家庭医とは、初期医療を担う開業医というだけではない。本書は、家庭医の特有の専門性を明確にするとともに、医療崩壊を救う存在として見直されている家庭医の役割を解説したものである。2001年刊行の初版の全面改訂した本書は、家庭医を志す医師・医学生、これから開業を考える医師の必読書といえる。
2001年に刊行の「家庭医 プライマリ・ケア医 入門」を全面改訂したものです。
序 本書における家庭医とは
提言 家庭医がなぜ求められるか
1 臓器別医療との違いとは
2 病院医療との違いとは
3 患者さんから「これまでの診療所医療とどう違うのか」と聞かれたら
4 救急外来と家庭医療での急性疾患診療の違いとは
5 学生実習/初期研修中に学びたいこと
6 家庭医療を学ぶためのコース選択
7 参考にすべき雑誌,書籍,web/参加するとよい学会,研究会
8 臓器別医学と家庭医療学の学び方
9 研修修了後すぐに開業するということ
10 生涯学習を続けるコツ
11 家庭医ならではの臨床研究とは
12 家庭医のロールモデルをみつけるためには
13 家庭医として一人で成長していくためには
14 家庭医に必要な能力 現場に出るまで/現場に出てから
15 アンケートにみる診療所医師の必須スキル
16 家庭医がよくみる疾患や症状の特徴と頻度
17 日常診療にEBMをどう活かすか
18 日常病診療のポイント 患者さんのために,医師自らのために
19 重症疾患の対応と高次医療機関への紹介のポイント
20 家庭医ならではの救急対応とは-biomedicalとnarrativeの狭間で-
21 家庭医にとっての在宅医療
22 健診/検診のポイント
23 “おせっかい”な家庭医として
24 継続した診療からみえてくるものとは
25 家庭医に必要なコミュニケーションスキルとその特徴
26 高齢患者さんとのかかわり方
27 ウイメンズヘルス-女性患者の対応のポイント
28 治らない患者さん,悪化をたどる患者さんとのかかわり
29 家庭医が開業するとき
30 知っておくべき医療・福祉・保健のリソース
31 診療所のスタッフ教育
32 診療所に必要な安全管理
33 一人で雑多な用事をこなすためのタイム・マネジメント
34 家庭医療での地域診断の活用法
35 他の医療機関とどう連携するか
36 診療所における24時間対応の考え方
37 他組織,他職種とのネットワークづくり
38 行政とのかかわり方
39 家庭医が校医になるとき
40 家庭医が産業医になるとき
41 地域住民の健康アドバイザーとして
42 医師会とのかかわり方
勤務医から診療所医師に変わって驚いたこと
家庭医と研修医が協力し合うために
他の診療所医師との出会いで励まされたこと,刺激を受けたこと
いわないようにしている言葉,いうようにしている言葉
家庭医のある1週間
個別のヘルスプロモーションとは
話し上手でないとよい家庭医になれないか
開業を決めたときのコンサルタントとのつきあい方
地域の政治・選挙とのかかわり方について考える